四つ葉のおうち

4人の子育てよもやまばなし

多指症⑤本人にどう話すか

四つ葉ちゃんがまだ生後2ヶ月くらいの頃は、私もはじめての経験に戸惑いがあって色々なことを考えました。 主人はいつも出張していたり、帰ってくるのが遅い仕事のため話し相手にはなりません。そこで毎晩寝る前に、その日考えた事を上の9歳の兄と6歳の姉に話すことが日課になっていました。2人は私のセラピストでもあるわけです。

四つ葉ちゃんが産まれたすぐ後、手術をすれば物心つく頃には指は他の人と同じ数になっているとわかりました。それからずっと「四つ葉ちゃんが言葉をわかるようになった時、四つ葉ちゃん本人はそれを知っていた方がいいのだろうか、知らない方がいいのだろうか。教えた方がいいのだろうか、教えない方がいいのだろうか」という問いが心に引っかかって消えませんでした。どちらの方が四つ葉ちゃんにとって良いのか、考えても答えが出てきませんでした。

そのことを子供達に聞いてみたのです。 9歳の兄は「教えた方がいいと思う。他の人が言うかもしれないし」と言いました。私はそれも最もだと思いました。すでに親族にも近所の子供達にも知っている人が大勢いるわけです。私たちの知らない所で、だれかから言われて初めて本人が知ると言うのは全く良いと思えませんでした。写真も普段通りに撮ってきたし、手術後もしばらくは病院で定期的な経過観察があるだろうし、物心ついた頃から当たり前の事として知っているのが現実的だな、、、

そう思っていると、6歳の娘はじっと考えてから「知らない方がいいと思う。だってみんなとおんなじがいいって四つ葉ちゃんが思うと思うから」と言いました。

この言葉を聞いて、私は「そうだね、」と言った後、ジンワリ涙が出てきました。四つ葉ちゃんの傍には、母親である私の他に、四つ葉ちゃんの気持ちに寄り添おうとしている長女もいてくれると分かって、とてもとても心強く感じたからです。

彼女の愛読書は四つ葉ちゃんの生まれるだいぶ前から林明子さんの「あさえとちいさいいもうと」だったなと思い出しました。 お宮参りの写真でも、初節句の写真の中でもいつも長女は四つ葉ちゃんの隣にくっついて手をキュッと包むようにして握っています。

四つ葉ちゃん、大丈夫だからね。

長女のアピールは母親の自分に絶大な効果があり、私が最初の戸惑いと徐々に慣れて、すっかり大丈夫だ、と思うようになれたのは、上の兄弟たちのおかげに他なりません。