四つ葉のおうち

4人の子育てよもやまばなし

多指症⑪手術当日

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術前検査から10日後、四つ葉ちゃんはまったく風邪もひかず元気な様子で入院日を迎えることができました。

 

手術の入院日程は

1日目 朝10時 入院

2日目 手術

3日目 退院

という思っていたよりもずっと短いものでした。

 

入院1日目

9時半病院到着。用意してきた書類一式を受付で提出した後、入院診察で体調の最終確認をする。四つ葉ちゃんは手足口病が感知してか3週間経過していたが、4週間は排泄物から感染する可能性があるとのことで、個室に入院。転落防止のため四方を高い格子で囲む形のベッドでした。明日の最終的な説明と確認などのため、看護師さん、整形外科の担当医さん、麻酔科の先生などが入れ替わり立ち替わり、部屋まで訪問。

この病院では完全看護で保護者が帰宅して不在の間は、看護師さんや常駐の保育士さんが代わりに世話をしてくれることになっていました。が、両親は24時間面会OK、つまり24時間そばにいても良いということがわかり、人見知りの激しい四つ葉ちゃんが大泣きするのはわかっていたので、それならばと退院まで私がずっと付き添うことに決めました。

昼過ぎに先生や看護師さんの話が終わった後、旦那に付き添いを交代してもらい、大急ぎで自宅へ戻りました。シャワーを浴びて、2日分の着替えなどをバッグに詰めてとんぼ返りしました。

持ってきたおもちゃをベッドの上に広げたり、ちょっと前に準備したおしゃぶりを吸わせたり、備え付けのテレビでEテレを一緒に見たりして時間をつぶしました。あとは暇だろうなと思ってナンプレも買ってきたけど、なんだか落ち着かなくて、ほとんどやりませんでした。全身麻酔をかける何時間前からは絶食、水分は何時間前など細かく決まっていたので、それだけ看護師さんがときどきチェックに来てくれました。夕方、個室にベビーバスを運んできてくださり(感染症予防で普通のお風呂がNGだった)、四つ葉ちゃん入浴タイム。病院の離乳食は毎回4~5品ほどで、出汁も効いていてとろみがついている模範的な後期離乳食メニューでした。おうちでは手抜きとお取り分けのみ通してきたけど、たまには四つ葉ちゃんにもこうやってちゃんとした離乳食を作ってやらなきゃと反省しきり。

自分の夕飯を取り終わってから、旦那にはいったん帰宅してもらい、ほかの兄弟の面倒を見てもらいました。

 

入院2日目

その日1番目の手術の時間になり、8時半~9時に四つ葉ちゃんを抱っこして、看護師さんと一緒に別の階にある手術室まで移動しました。小児専門の病院だけあって、病棟全体がそうなのですが、どこかの児童センターに来たような素敵な内装になっていました。手術室は特別仕様で、入り口の天井にも廊下の壁にもいたるところに絵本のような絵が描かれていて、お話の国に来たような気分になる場所でした。入り口ではカラフルな服装をした麻酔担当の方が数名待っていて、ポータブルの画面に子供向けの動画を見せながら、本人が泣く前に、上手に抱っこを交代してくれて、私たち両親はそこからお部屋に入っていくのを見てから、待合室に移動しました。

手術は2時間ほどで、全身麻酔から覚めるとともに看護師さんが呼びに来てくれました。看護師さんと一緒にもう一度手術室の前に行くと、まだ朦朧とした状態の四つ葉ちゃんが出てきました。予定通り左腕はギプスでぐるぐる、右手は手袋大の包帯です。そのままエレベーターに乗って元の個室に戻りました。

全身麻酔の後の子供の様子にはビックリする、心して行ったほうがいい、と読んだことがあったので、なんとなく構えていました。普段眠っている時は、抱っこされると少しだけ自分の方に体を預けてくるような感覚がありますが、全身麻酔の後は体全体がグタンとしていて、そういう感覚がありませんでした。「大丈夫、だんだん意識も戻って体も元に戻ってくる」と頭では理解していましたが、とても不安な心地がしました。しかしそこから1、2時間かけて徐々に普段通りになってきました。その間、なかなかベッドにおろすことができず、四つ葉ちゃんを膝の上にお座りさせて人間ソファになったような感じでした。

 

さてその後どうなったか、思い出そうとしているのですが、だんだんと記憶があいまいになってきました。おそらく前の晩、あまり眠れずに寝不足だったのと、無事に手術が終わってほっとしたのでボーっとしていたのかもしれません。手術後の話を詳しく書こうと思ったのですが、覚えていることだけにとどめておきます。

 

とても意外だったことが一つありました。

それは手術後は痛み止めを一切追加しなかったことです。指を取るような手術をしたんだから痛いに決まっている、泣き続けるに違いないと思っていたのですが、どうやら自分の勘違いだったようです。看護婦さんに痛み止めは?と尋ねると、赤ちゃんは痛覚が未発達で、痛みをあまり感じないのだそうです。ええーっ!?本当に?と半信半疑でしたが、確かに、麻酔が切れた後の四つ葉ちゃんを見ていても著しく不機嫌になっていないし、泣いてもいないし、手がぐるぐる巻きで不自由だ!という以外に、痛そうな様子は少しも見られませんでした。とても意外でした。

手術が終わってみてわかったのは、わたしは38年の人生経験から「指を一本切り取ったらこーぉんなに痛いに違いない」と思い込んでいて、四つ葉ちゃんが産まれてからほぼ10カ月間、「そんなに」痛い目に合わなければならない四つ葉ちゃんを可哀そうと思ったり、手術の前の日なんかは「こうやって普通に笑っている顔を見られるのは次はいつだろう」とか気に病んでいたのですが、どうやら全く見当違いな心配だった、ということでした。

 

手術後、四つ葉ちゃんは麻酔から完全に冷めて、その後すこし昼寝もしました。夜になるといつも通りの機嫌の良さでした。が、しかし、普段とは違うことに片腕は完全にギプスで覆われ「く」の字型でぴくりとも動かせず、もう一方の腕の動く方の手も、包帯とネットで覆われている状態で、それがどうにも気になって仕方がない様子でした(だよね)。ギプスの方は諦め、盛んに包帯だけの方の手をなめ、すぐによだれで包帯びっしょりにしてしまうので、夜間も看護婦さんが新しい包帯に交換してくれました。

 

入院3日目

午前中のうちに担当の先生が来て退院診察をしてくれました。退院後はくれぐれもギプスを濡らさないよう、外れるような衝撃は絶対に与えないよう、あとは普段どおりで、と簡潔な指示でした。四つ葉ちゃんは当時0歳11カ月でハイハイと伝い歩きの真っ最中で手術の2週間くらい前からやっと一歩二歩独り歩きを始めていました。が、ギプスのために術後はハイハイしない方がいいとのことでもあり(ぬぉーん、ハイハイしないってどうやって生活できるかな・・・)と検討した結果、数日前にネットで歩行器を自宅配送手配済みでした。歩行器のってくれるかな・・・

 

ハイハイさせないってことは、うちの中でもずっとオンブして過ごせばいいのか?だけどそれだと運動不足で機嫌が悪くなりそうだし・・・だいたい片腕全体が固定されたまま抱っこ紐に入れられるのか?

など考えながら迎えに来てくれた旦那の車で帰宅。

 

さて退院前には気になるお会計がありました。

簡潔にまとめるため、次ページにてご報告します。