多指症①初診
〜生後1ヶ月半・形成外科受診の話〜
産まれた病院からの退院の日、産院の先生からこれからの流れを聞きました。多指症の場合は多い指を切除する手術を1歳前後に行うようでした。1ヶ月健診が済んだら、大きい病院の紹介状をお渡しするので受診してください、とのことでした。
ちょうど1ヶ月健診が年末だったので、病院には電話口で相談して、年が明けてすぐ、小さいお兄ちゃんも連れてお父さんとお母さんと一緒に大きな病院に行きました。
お父さんは仕事の時間に間に合わなくなり途中で退席し、結局、順番が回ってきた時には私と小さいお兄ちゃんと四つ葉ちゃんの3人で先生の話を聞くことになりました。
先生は明るくて朗らかな女医さんでした。両手の様子を見て、一通り今後の流れを説明したあと、質問タイムになりました。私は2つ質問をしました。
・ぎゅっと手を握っている時に、もう一本の親指が掌に当たって傷になっているが大丈夫か?
・もう一方の方の手は指がぶらぶらぶら下がっていて、何かの拍子にちぎれそうで怖いのだが、大丈夫か?
先生はもう一度四つ葉ちゃんの手を近づけてよく観察してから、私に向かってこう言いました。
「ぎゅっと握ってるね。でもこれは他の赤ちゃんもみんなやるから、何にも心配いらないよ」
「こっちも思ってるよりしっかりくっ付いてて、取れたりしないから大丈夫!」
この言葉を聞いたあと、私はひと月ぶりに心がスーッと軽くなるのがわかりました。それから、1ヶ月の間、ずっと心の中で「この子の体は他の子と違う部分が他にもあるかもしれない、心配だ」と思って四つ葉ちゃんを注視していたことも自覚しました。
今まで見た事がなかったからビックリしたけど、四つ葉ちゃんは元気で健康な赤ちゃんだし、心配しなくて大丈夫なんだ・・・と感じました。
形成外科での初診は、手術まで間がありすぎるという事でレントゲンも取らず、四つ葉ちゃんの手の観察と、左右の手を同時に手術するか、別々の日に手術するかの相談、次回は途中経過観察をするので、5ヶ月後に再診の予約で終わりました。
四つ葉ちゃんの6本目の指は、どちらも親指の脇についています。右手は飾り物のように第一関節の部分だけがプランとぶら下がっています。片手のみでこの形状の場合は、1歳を待たずに、痛覚が発達する前の早い段階で、紐でくくって切除する方法もあるそうです。
左手の方は親指の脇に少し小さくて細めの親指がもう1本ついています。血は通っていて骨もありますが、よく観察しても、この指が独自に動いている事はないようです。
四つ葉ちゃんは、先生と相談の結果、手術は両手同時に、ということに決まりました。