四つ葉のおうち

4人の子育てよもやまばなし

多指症⑨検査延期

手術前検査の一週間前に、四つ葉ちゃんは手足口病を貰ってきてしまいました💦

手術の1ヶ月前からは体調管理に気をつけるように病院からも注意されていたのに、1ヶ月前ならまだ大丈夫だろう、と私がちょっと油断していたのです。

手足にブツブツが出始めてから、入院説明書を読み返すと1ヶ月前からは次の感染症になった場合に連絡をくださいとありました。

水ぼうそう、麻しん風しん、おたふく、百日咳、ジフテリア、伝染性紅斑、インフル プール熱、胃腸炎手足口病ヘルパンギーナ 、溶連菌など

手足口病も入ってたーΣ(・□・;)

本人の機嫌はそこまで悪くなかったんだけど、慌ててかかりつけの小児科を受診して診断してもらってきました。

上記の感染症は、本人だけでなく、同じクラスにいた、病気になった兄弟やお友達と一緒に遊ぶなどして接触があった場合も連絡必要との事でした💦

本人の体調が万全な状態で臨むことはもちろん、他の入院患者さんに感染症などを持ち込まないように配慮が必要なためです。

四つ葉ちゃんは手足口病に手術1ヶ月前にかかってしまったため、予定していた手術前検査と麻酔科受診が一週間先延ばしになりました。

これから風邪が幼稚園や小学校で流行りだす季節なので、他の兄弟たちが罹患してうちに持ってこないように祈っています🙏 出来ることと言ったら、家族みんな手洗いうがいの徹底、疲れを溜めさせないように規則正しい生活をする、くらいかな。。。

10月は幼稚園や小学校の保護者がやるお祭りのシーズンなのですが、今回はお手伝いにも欠席の連絡を入れ、残り3週間は人の集まる場所に滞在する時間を少なくすることにしました。

多指症⑧『異常』の言葉に惑わされない

指が他の人よりも多く生まれた事を、生後10ヶ月たった今では、眉毛が繋がっているとか、耳が自分で動かせるというような人それぞれ持って生まれた特徴の一つと同じものして、落ち着いて受け止めています。

こう言葉にして大丈夫になったのは最近で、初めはどう受け止めればいいのか分からずオロオロしていました。

生後2ヶ月で予防接種を受け始める際、予診票に「先天性異常や病気はありますか?」という項目がありました。

紹介状をくれた産婦人科の先生は、なにかを慮ってなのか、母子手帳のどこにも「多指症」という言葉を書き記していませんでした。

多指症は異常なのか?私の手は予診票を書きながら動揺して止まってしまいました。多指症が何なのか言葉で考えるまでに至っていなかったのです。

「異常」というとなにか良くない感じがしました。

「NG🙅‍♀️🙅‍♂️」という言葉となんだか並列な気もします。

しかし四つ葉ちゃんは手術の予定こそあるけど、体に不具合を抱えているわけでもないので、どう書いたらいいのか迷ってしまったのです。

それで未記入のまま診察室に入って、小児科の先生が見始めた時に「あのー、生まれつき指が多いです」と口早に説明しました。何も書いていなかったので、先生は咄嗟に「ここだけ?」と私に聞き返しました。それから形成外科での経過を説明すると、術前術後に重ならないよう予防接種の計画などを話してくださいました。

その会話をした後から、自分で躊躇なく多指症と予診票に書くようになりました。

異常、というのは文字の通り「常と異なる」「他の人と異なる」意味でしかない、と気づいたからです。

ゴジラは自分の名前しってるの?

3歳の次男は大の生き物好きで、公園のフェンスに絡まった蔦の上にいる青虫🐛を捕まえて、自分の顔の上を這わせるくらい限りなく瞳の近くに寄せて見つめたりしている。それくらい他の生物に対して親近感と愛着を持っているらしい。

その彼が 「ねぇ、ゴジラとか恐竜って自分の名前しってるの?」 と聞く。

ゴジラも恐竜も、うちで飼っているコオロギもメダカも、エビもタニシも人間が付けただけの名前だから、みんなみんな人間が自分の事をそう呼んでいるって知らないんだよ、と答えた。

ゴジラも恐竜も自分の事をそんな名称では認識していない、言葉にするまで考えた事なかった笑

あなどれない3歳児。

世に数学の魅力を発信している数学者の森田真生さんの本にこんな本がある。 まだ5までしか数を理解していない次男だが、発想はこの本に書かれているものと近い。あと3年したら読んであげようと思う。

アリになった数学者 (たくさんのふしぎ傑作集)

アリになった数学者 (たくさんのふしぎ傑作集)

自分は青虫は苦手だけれども、顔の上に乗せようとしている次男の生き物に対する親近感を無下に否定してはいけないと思う。自分には持っていない感性だけど、伸ばしていくためにどんな物と引き合わせてやったらいいかなと考えたりする。

子どもと生活していると、それぞれ異なった感性と特徴の人間が育っていく過程を間近で観察することができる。それが面白い。

みかんいろの灯り

ひめねずみとガラスのストーブ

ひめねずみとガラスのストーブ

風の子フーとひめねずみの心が暖かくなるお話。

2011年発行。安房直子さんが存命の1969年『目白児童文学』に発表されたあと、初めて絵本になった作品だそうです。40年以上も前に書かれたのに、色褪せない宝石の粒のようなお話でした。

降矢ななさんの挿絵も必見です。降矢さんの絵には『めっきらもっきらどおんどん』の愉快で不思議でビー玉のようなイメージを持っていました。この話は暖かくはあるけれど、ただ楽しげな話とは違ってもう少し複雑です。開けてビックリ、このお話には降矢さんの挿絵がこれ以上はないと言うくらいぴったり合っていて、時期の違う2人の合作とは思えない形で1冊の絵本として高い完成度になっています。

これからおでんや炬燵でぬくぬくが恋しくなる季節、ちょうど今が読みどきです。

多指症⑦お金の話

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~多指症の手術にかかるお金について~

多指症の手術には公費負担制度があります。

結論から先に言うと、我が家の場合は、これから説明する2つの公費負担制度のおかげで自己負担額が0円でした。自己負担額はお住いの自治体や世帯の収入などによって違うと思います。全国でどのくらいの相違があるのかわかりませんので、手術の予定がありお金の事が気になっている場合は、ぜひ事前に病院の会計窓口や自治体の子育て支援課でお確かめになってください。

 

 

公費負担は以下の2種類があります。

自立支援医療(育成医療)制度 

子育て支援医療費助成制度

 

自立支援医療(育成医療)制度は、厚生労働省による「心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する」ことを目的としている制度です。

多指症の手術はこの中の「肢体不自由」という障害に該当し、公費負担の対象となります。所得に応じて自己負担上限額が変わるので注意が必要です。

この制度を利用するためには、事前に手術を行う先生からもらった「自立支援医療(育成医療)意見書」という書類を役場に持参の上、手続きを行う必要があります。わたしの住むさいたま市の場合は、保健センターで手続きをし、申請から1~2週間後に自立支援医療受給者証が手元に届きました。我が家のケースでは、自己負担上限額が月額10,000円でした。オムツ・リネン等医療保険が適用されないものについては、公費負担の対象外で別途支払うということでした。

www.mhlw.go.jp

 

子育て支援医療費助成制度は、自分が住んでいる埼玉県さいたま市が行っている助成制度です。0歳から中学卒業までの子どもの医療費の通院費・入院費、薬代などの自己負担額全額を助成してもらえます。自治体による子ども医療費助成制度の詳細は、お住まいの地域によって違うと思います。こちらも自立支援医療制度と同じく、保険のきかない医療費や医療材料は助成対象外となります。

 

手術の際は、まず病院の受付で自立支援医療受給者証を提出します。そのあと、いったん自己負担金を会計で支払います。このお金は、後日、さいたま市役所の子育て支援課で手続きをすると子育て支援医療費助成金として還付されるようです。

→手術後の退院手続きでは、会計窓口での負担額は0円でした。改めて窓口で確認すると、肩で開くようになっていた手術服などは保険適応内に含まれており、保険適応外の支払いは今回の入院ではナシ。保険内の医療費については上記2つの補助制度をまとめて窓口で精算したので、後日さいたま市区役所にて子育て支援医療費を改めて申請する必要もなく、こちらで会計終了とのことでした。改めて区役所に赴き申請する手間もなく、大変助かりました。

 

※ここからは制度利用に際しての注意点です※

自立支援医療(育成医療)制度は病院や役所の人にもなじみがあまりないのか、制度を利用する人の絶対数が少ないのか、申請手続きの際に最終的な自己負担額を尋ねても的を得ない回答が多かったです。入院説明をしてくれた整形外科の看護師さん、同じ病院の会計窓口、自治体の保健センター、区役所の子育て支援課で直接問い合わせましたが、聴く場所によって返事がバラバラで戸惑いました。区役所では、子育て医療費で全額カバーされるので、自立支援医療制度の方は申請する必要がない、とも言われました。たまたま私の尋ねた方達が不案内だったのか、よく原因はわかりませんが・・・最終的に上記のようだと判明したのは、申請後に届いた育成医療認定の書類の中に詳しい記述があったおかげでした。

 

さいたま市/子育て支援医療費助成制度について

こちらにも

自立支援医療等の国の公費負担制度の対象となる場合は、そちらを優先して利用いただくことになりますので、必ず登録・更新の手続きをしていただきますようお願いします。

 との一文があります。

自治体の子育て医療費助成制度は年度ごとに公費負担の内容が変化することもあります。(小学校までだったのが中学校までに広がったり、通院だけじゃなくて手術もカバーになったり)対して、厚生労働省自立支援医療は日本中どこでもいつも同じ内容です。例えば自治体の子育て医療費が減ったりした場合でも、自立支援医療費はそれとは別にもともと負担してもらえるのですから、やはりちゃんと申請手続きをするのが正解のようだ、と理解しています。

 

万が一、どの公費負担が利用可能か不明瞭な場合は、病院の会計窓口で、ベテランのスタッフの方に応対してもらって「自立支援医療費」の件についてお話することをお勧めします。

 

 

 

多指症⑥手術するか、しないか

多指症のことに最初は驚きましたましたが、徐々に不安も消え、自分は状況を受け入れられたしもう大丈夫と思えるようになった頃、今度は新しい迷いが生まれました。

「この手はそのままではいけないのか?」

例え話ですが、四つ葉のクローバー🍀は、四つ葉の形が完璧な形であり、綺麗に四方に葉が並んでいます。4枚の中から1枚だけ葉っぱを取った場合、それは他の三つ葉のクローバーと同じ形になるわけではなく、1枚足りない不完全な並び方になってしまいます。

うちの四つ葉ちゃんもたまたまクローバーのように他の人よりも1本多めの指で生まれたけれど、それが自然な形ならば、手術して1本切除してしまったら、本人にとっては不自然な形になるのではないか。健康である体を損なうような事をわざわざしようとしているのではないか。ひょっとして6本目の指があるからこそできる何らかの才能の芽を、私は摘もうとしているのではないか。

これは治さないと健康な生活が営めなくなる疾患とはまったく違って、「見た目」のための手術です。 形成外科の先生も、小児科の先生も、誰も私に「この手術はやらなきゃいけない」なんて言っていません。

そういう疑問でした。

この考えは夫にも自分の両親にも話しましたが、まったく同意を得られませんでした。手術はするのです。手術の時期は手指の神経が発達しきる前が望ましいので、悩んでいるから後で決める、という訳にはいきません。だから賛成派多数で、しかも私の信頼している人間の賛成が多数なので、手術は予定通りに行います。

この件は、私自身の兄弟から「自然な形のまま生きていく方がいいかもしれない、でも人間は社会で生きていくから、社会で生きていく上での摩擦が起きる。その摩擦を和らげるための手術ということね」と言われた後、少しずつ、きっとこれでいいのだ、と思うようになりました。 たしかに、会う人会う人みんなに驚かれる反応には私ですら疲れました。自分にとっては当たり前の事をいちいち驚かれるというのは居心地がよくありません。驚きの反応も千差万別で、これにまた疲れる場合もあります。

ほんの小さい柔らかい新芽のクローバーの葉を、1枚ちぎり取るところを思い浮かべます。茎に残った葉は、残った枚数のままで、出来るだけ太陽からたくさん光を吸収するために、ピンと張って大きな葉に成長するだろう、きっとそうに違いない、今はそう思っています。

多指症⑤本人にどう話すか

四つ葉ちゃんがまだ生後2ヶ月くらいの頃は、私もはじめての経験に戸惑いがあって色々なことを考えました。 主人はいつも出張していたり、帰ってくるのが遅い仕事のため話し相手にはなりません。そこで毎晩寝る前に、その日考えた事を上の9歳の兄と6歳の姉に話すことが日課になっていました。2人は私のセラピストでもあるわけです。

四つ葉ちゃんが産まれたすぐ後、手術をすれば物心つく頃には指は他の人と同じ数になっているとわかりました。それからずっと「四つ葉ちゃんが言葉をわかるようになった時、四つ葉ちゃん本人はそれを知っていた方がいいのだろうか、知らない方がいいのだろうか。教えた方がいいのだろうか、教えない方がいいのだろうか」という問いが心に引っかかって消えませんでした。どちらの方が四つ葉ちゃんにとって良いのか、考えても答えが出てきませんでした。

そのことを子供達に聞いてみたのです。 9歳の兄は「教えた方がいいと思う。他の人が言うかもしれないし」と言いました。私はそれも最もだと思いました。すでに親族にも近所の子供達にも知っている人が大勢いるわけです。私たちの知らない所で、だれかから言われて初めて本人が知ると言うのは全く良いと思えませんでした。写真も普段通りに撮ってきたし、手術後もしばらくは病院で定期的な経過観察があるだろうし、物心ついた頃から当たり前の事として知っているのが現実的だな、、、

そう思っていると、6歳の娘はじっと考えてから「知らない方がいいと思う。だってみんなとおんなじがいいって四つ葉ちゃんが思うと思うから」と言いました。

この言葉を聞いて、私は「そうだね、」と言った後、ジンワリ涙が出てきました。四つ葉ちゃんの傍には、母親である私の他に、四つ葉ちゃんの気持ちに寄り添おうとしている長女もいてくれると分かって、とてもとても心強く感じたからです。

彼女の愛読書は四つ葉ちゃんの生まれるだいぶ前から林明子さんの「あさえとちいさいいもうと」だったなと思い出しました。 お宮参りの写真でも、初節句の写真の中でもいつも長女は四つ葉ちゃんの隣にくっついて手をキュッと包むようにして握っています。

四つ葉ちゃん、大丈夫だからね。

長女のアピールは母親の自分に絶大な効果があり、私が最初の戸惑いと徐々に慣れて、すっかり大丈夫だ、と思うようになれたのは、上の兄弟たちのおかげに他なりません。